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■公平な対応をとれないのであれば、金融庁は今回の規制をすべきではない
FXのレバレッジは取引の開始当初の規制がない頃、それこそ400倍だの1000倍だのといった、今では到底考えられないようなレバレッジがありました。しかし、高すぎるレバレッジは相場の急変時に対応が難しく、個人投資家保護の観点などからレバレッジが引き下げられることになりました。もちろん、そのほかにも要因はあるのですが・・・
その後も段階的に引き下げられ、25倍までレバレッジは低下しました。そして今、レバレッジを10倍にする規制が検討されています。レバレッジが引き下げられれば証拠金が今まで以上に必要となります。そして、それは少額の資金で大きな利益を狙うことができる取引だったにもかかわらず、そういったことができなくなることを意味します。
レバレッジが10倍になることにより、そもそもの取引量が減少することが予想されます。それはそうですよね。仮に今まで1万円で取引できたものが、これから2.5万円必要ですよ、ということになれば、単純計算で取引は40%に減少するわけです。そうなればFX業者にとっても死活問題となりえる話です。そうなった場合、FX業者は手数料の徴収やスプレッドの拡大などの施策を打たざるを得なくなります。それにより被害を被るのはそれを利用している投資家ということになるわけです。
ただ、今回の規制の目的は投資家保護だけでなく、FX業者の保護だといわれています。これはどういうことかと申しますと、相場の急変時に証拠金の不足が生じて顧客に不測の損害を与えるのみならず、その不足の証拠金の徴収がなかなか難しく、FX業者の財務を悪化させる恐れがあるということです。これに関してはスイスフランの急騰時に起こったアルパリの破綻が念頭にあるのかもしれませんね。
もちろん、こういった問題が存在することは事実です。そして、スイスフランショックのような不測の事態は今後も発生するでしょう。しかし、そのリスクも含めて投資・投機を行っているわけであって、すべてにおいて規制を行うことが果たして良いことでしょうか。
「ゼロカット」などのルールの導入など、議論すべきところではあるかと思いますが、レバレッジを下げれば問題ないだろうという態度はあまりに乱暴であり、その後の取引量の減少などを考えると問題も多い規制ではないかと思います。そもそも、不測の事態に備えての対応というのであれば、レバレッジというもの自体がおかしなものであり、為替・株等、すべて1倍のみにすべきという意見も成り立ってしまいます。それはいかにも窮屈な制度と言わざるを得ません。
ここが非常にきな臭いところではあるのですが、クリック365は25倍が維持されるといった話がある点です。天下り先の取引所を優遇するといった思惑があるとしか思えないような話です。これは金融庁が何と言おうが、誰がみてもそうとしか思えないやり方です。これまでもクリック365は税制面などで優遇されてきましたが、ここでもそういった対応をとるわけです。もしも取引が40%程度になることも辞さず、というのであればクリック365も25倍から10倍にすべきでしょう。こういった公平な対応をとれないのであれば、金融庁は今回の規制をすべきではないと考えています。
個人的には今回の決定がなされた場合、海外業者に流れる人も出てくるのではないかと思います。そして、それによる被害が続出した場合、金融庁は何らかの手を講じてくれるのでしょうか?だって、今回の規制が引き金となった可能性があるわけですからね。
後、クリック365優遇に関しては公設の取引所がバックについているので未収金によって潰れるリスクがないから規制の対象にならないとの見解を出しているようですが、かりにトンデモナイ金額の未収金が出た場合はどこが補填するんですかね?まさか税金なんてことはないですよね?