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2017年11月09日:金融庁が検討中と言われています、個人投資家向けのFXのレバレッジ上限を

■金融庁が検討中と言われています、個人投資家向けのFXのレバレッジ上限を

金融庁が検討中と言われています、個人投資家向けのFXのレバレッジ上限を25→10倍へと引き下げるという、レバレッジ規制はいったい誰のためなのでしょうか? 取引業者の規制強化により安全性が確固たるものとなり確り、個人投資家のFX教育も行き届いている現在、世界的に見ても厳しい規制が本当に必要なのでしょうか? 私の目にはとても奇異に映ります。

過去の歴史を紐解くと、外為法が改正され1998年には個人投資家は自由にFX取引ができるようになりました。それを当て込んだ取引業者が雨後の筍のよう乱立し、混乱が生じたことが思い出されます。善悪が入り乱れたFX取引業者も、現在は安心して取引ができる会社だけが生き残り、当局による多数のセフティーガードが敷かれて現在に至っています。

今回のレバレッジ規制の強化は相場変動時における個人投資家の保護が目的との話もあります。2015年のスイス中銀がEURCHFの1.200水準のサポートを放棄したことで激しCHF高となったスイスショックや、英国のEU離脱を決めた国民投票のサプライズに急落したポンドショックを想定した対策なのでしょうか?そうだとしたらちょっと大げさかもしれませんが『月が地球に落ちぶつかるリスク』に備えようとしているようなものではないでしょうか?
 
いずれにしても通常の商取引でも、投機的な取引でもリスクをゼロにすることや事前に察して避けることは100%無理であることは過去の歴史から学んでいることで、特にFX取引のようなレバレッジをかけた投機的な取引では「自己責任」が当然であることはすでに十分周知のことと思います。

市場では、ビットコインなどのボラティリティーが非常に高いデジタル通貨の取引が活況を呈している昨今、今までのレバレッジ倍率25倍がようやく市場参加者に定着している中で、なにゆえに引き下げる必要があるのでしょうか?どうしてもこの疑問を晴らすことはできません。

現在でも平均するとFXのレバレッジは6倍~8倍程度ではと言われています。仮にレバレッジ倍率が25→10倍に引き下げられれば、瞬間的な相場の変動により強制的に退場せざるを得ない以上となり、よりレバレッジを抑えた取引を余儀なくさることで、市場が衰退する可能性もあります。

結果として、魅力が低下したFX取引をやめ株式へ逆戻りするか、規制の緩やかで高レバレッジの海外業者と直接取引を試みる個人投資家が増える可能性も否定できません。仮にそうなれば個人投資家保護のお題目からかけ離れることになり本末転倒と言わざるを得ません。

筆者プロフィール

太田二郎氏
FX(外国為替取引)との出会いは1979年の春で米国の名門「ファースト ボストンバンク」からスタートし現在までの38年という長い付き合いですが、FXの世界はそれぞれの時代で大きく変化しています。

私の青年期は米系銀行、英系銀行、ドイツ系銀行、オランダ系銀行で、大手企業、機関投資家はもちろん、海外のディーラ、ファンド勢、中銀関係者と親交を深め、積極的に為替相場に参戦してきました。

壮年期になると、FX取引の自由化がスタートしたタイミングで、マージン取引を利用した個人のFX取引会社と親交を深め、現在の個人向け為替取引のフロンティアとして活躍。米系の「Global Future & Forex Trading」では、市場の開拓に努め、現在の個人向けFX取引の拡大に貢献できたと自負しています。

晩年では、自己ポジションでの取引や、雑誌への投稿、セミナーの開催を通じて、個人投資家への啓蒙を深め、現在に至っています。
専門家の声

金融庁は今回の規制をすべきではない。

理不尽なレバレッジ規制は絶対にやめてもらいたい。

現在、世界的に見ても厳しい規制が本当に必要なのでしょうか?

公的・民間に差をつけるのはアンフェアで投資家保護になりません。

わざわざ世界一の業界を自らの手で潰すことは得策ではない。

個人投資への負担増は想像を絶するものとなります。

レバレッジ規制は、投資家とFX業界の両方を苦しめる。

同種の金融商品における明らかな差別である。

投資家を無視して進んでいることには、憤りを感じる。

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