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2017年11月06日:公的・民間、手を合わせてこそ発展あり

■公的・民間、手を合わせてこそ発展あり

金融庁が、FXのレバレッジを現行の25倍から10倍に引き下げる方向で検討という新聞記事に、投資者保護か、しかしこれはきついなあというのが、私の最初の感想でした。

しかし、話を聞いていくと、どうもこれはおかしいという感想に変わって行きました。

なぜなら、今回の対象がいわゆる店頭取引(以下FX業者)であるのに対して、公的な取引所取引(以下くりっく365)は現行の25倍のままだというではありませんか。

これでは、いくら金融庁が、外国為替相場が急変動した際、個人投資家や金融機関が想定を超える損失を抱えるリスクが高まっていると憂慮しているとしても、そのリスクは、FX業者であろうとくりっく365であろうと平等に存在するはずです。

それが、公的・民間手を携えて、マーケットの拡充をはかるべきところを、こうしたはっきり申し上げてアンフェア(不公平)な行動になぜ出るのか、非常に残念でなりません。

過去にも、税制面で、FX業者は総合課税、くりっく365は分離課税という公的に優位な制度が続きましたが、その時は民間は、素直に従っていました。

また、制度面でも、自己資本規制や信託保全など、いろいろなハードルを与えられ、それを血の滲むような各社の企業努力によって越え、そうしたお蔭をもって、体力強化を図ることができました。

しかし、どうして民間が10倍で、公的が25倍なのでしょうか。

公的・民間に差をつけるのはアンフェアで投資家保護になりません。

また、仮にレバレッジが10倍となれば、正直にいって、マーケットは縮小するでしょう。

マーケットという金の卵が順調に大きくなるように、育むことが大事です。

マーケットが活況であればこそ、投資家はじめ皆に繁栄のチャンスが与えられると思います。

日米の過去の株式市場の活況ぶりに大きな差違があります。

なぜなら、マーケットのオープンの度合に差があるからです。

それに対して、折角、ここ20年ほどの間に、外国為替市場は、個人投資家がリードして大きく拡充してきたのです。

そして、これまで投資家保護とオープン度合いをバランスさせてきています。

今や、本邦個人投資家は、グローバルに存在感を示すまでになっています。

不合理な10倍レバレッジ規制を進めるのではなく、真の投資家保護となる制度を作り、官・民、手を合わせて、さらに市場を拡大して行こうではありませんか。

筆者プロフィール

水上紀行氏(みずかみ・のりゆき)
バーニャ マーケット フォーカスト代表。
1978年三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン・東京・ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。現在、外国為替ストラテジストとして雑誌・テレビ・ラジオなどで活躍中。
著書に『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』(すばる舎)『FX常勝の公式20』(スタンダーズ)がある。
専門家の声

金融庁は今回の規制をすべきではない。

理不尽なレバレッジ規制は絶対にやめてもらいたい。

現在、世界的に見ても厳しい規制が本当に必要なのでしょうか?

公的・民間に差をつけるのはアンフェアで投資家保護になりません。

わざわざ世界一の業界を自らの手で潰すことは得策ではない。

個人投資への負担増は想像を絶するものとなります。

レバレッジ規制は、投資家とFX業界の両方を苦しめる。

同種の金融商品における明らかな差別である。

投資家を無視して進んでいることには、憤りを感じる。

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