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金融庁のFX証拠金取引のレバレッジ規制に大反対!!
9月27日「金融庁が、外国為替証拠金取引(FX)の証拠金倍率(レバレッジ)を引き下げる検討に入った。現行の最大25倍から10倍程度に下げる案が有力だ。外国為替相場が急変動した際、個人投資家や金融機関が想定を超える損失を抱えるリスクが高まっていると判断した。国内の取引高は約5千兆円に上る一方、FX業者への規制は銀行などに比べ緩い面がある。規制見直しで日本発の市場混乱を防ぐ」と日経新聞が報道した。
これが事実かどうかはわからないが、恐らく金融庁は、日経新聞に事前に、この規制をリークし根回しを狙ったようだ。ただ、一部の業界からの話では、既に密室で、実施に向けた某略が着実に進んでいるらしい。
特にこういった規制が、実際に取引している投資家を無視して進んでいることには、憤りを感じる。
FXの取引は、1998年に、日本版ビッグバンで、為替取引の実需原則が撤廃されたことでスタートした。当初当局は、こういった取引を想定しておらず、戸惑いがあったようだが、その後何も規制がない状態から、不良な業者も多く発生し、確かに一時は大混乱していたが、その後の法整備などを経て、来年は20周年を迎える。それなりの業界の努力もあって、現在は一般に認知された金融商品となっており、過去のような大きなトラブルも少ない。
何故今か?
金融庁は、「個人投資家や金融機関が想定を超える損失を抱えるリスクが高まっていると判断」としているようだが、過去もそういった面で、常にリスクはあった。金融の取引には、必ずリスクはつきものであり、一定のリスクがあるのが、金融商品である。また、「個人投資家が想定を超える損失を抱えるリスク」とは、恐らく個人投資家が、「元本を失う」または、それ以上の損失を抱えることを指しているのだろうが、個人のFX取引は、「マージンコール」という「強制ロス・カット」のシステムを採用しており、通常の先物取引などと異なり、基本的に「追証」が発生しない。つまり個人の「想定以上の損失」というのは、スイスフラン・ショックなどの事態以外は、ほとんど発生していない。その他で、現時点で「想定を超える損失」が発生するとするなら、朝鮮半島での有事しか考えられない。金融庁は、有事が発生するとするなら、FXの取引だけではなく、他のデリバティヴなどの金融商品の取引も規制すべきだろう。
FXの取引は個人投資家の夢
お金を儲けることだけが、人生ではないが、日本では長らく超低金利が続いており、一生懸命働いて、将来のために資金を蓄えても、全く有効活用できない。一抹の期待を持っていた年金でさえ、掛け金が年々上昇、加えて受給年齢まで引き上げられては、たまったものではない。そういた面で、我々は自己防衛を余儀なくされている。 そこで「運用」という手段を取るわけだが、株式投資などは、資金力に余裕がないと難しい。一方のFXの取引は、当初からレバレッジを利用できること、少額から取引ができることが最大の魅力であり、唯一資金力に余裕がなくても、勉強・努力さえすれば、それなりの利益を得ることが出来る。ある意味、個人投資家にとっては、「夢」のある金融商品であるが、それを金融庁は奪おうとしている。
投資は自己責任
それであっても、投資にはリスクがつきものである。投資は自己責任であるし、これを知らずFXで投資することは、私でさえお勧めしない。 「レバレッジ・コントロール」は、あくまで個人の自己責任の問題であり、無為にレバレッジの上限を引き下げることは、逆に「投資家のチャンス」を奪いとる行為でしかない。また実際、過去の50倍が上限の時期もあったが、25倍、10倍とする適正な根拠が何も提示されていない。加えてレバレッジの上限までポジションを取れば、直ぐにロス・カットされるだけで、一般的なFX投資家が、それほどハイ・レバレッジで取引しているとも思えない。金融庁は、個人投資が一般的に、どれだけレバレッジをかけているのか調査したことがあるのだろうか?
レバレッジ規制によって想定される弊害
政府・財務省は、金融の国際化や規制緩和を目指しているはず。その面では、こういった規制の無為な強化は、流れに反すると思う。また、東京市場の為替取引の低迷を、日本の個人投資家が補っており、こういった商いの減少が、更に価格変動リスクを高め、加えて円の下値を支える個人投資家の不在を狙って、海外の「ハゲタカ・ファンド」が、投機的な円買いを仕掛けるリスクが高まりそうだ。 一方では、このレバレッジ規制によって、個人投資家の多くが、レバレッジの高い海外口座に流出した場合、不健全な業者との取引によって、多くの損害を被る個人投資家を発生させることにもなり兼ねない。
まとめ
こうやって見てみると、今回のレバレッジ規制は、個人投資家に何のメリットもなく、またタイミングに不透明感が残ること、監督官庁の保身としか考えらず、はっきりとした根拠も示さずに、規制を強行することに大反対である。
筆者プロフィール
文一雄氏【通称:だいまん】
